【作家紹介と制作思想】

自然との対話、そして思索の記録として

私は、日々の何気ない生活の中にある、些細な「気づき」を大切にしています。

それは特別な事物ではなく、誰の環境にも等しく与えられている空や雲、夜空の星、雨や風、太陽の恵みといった、あらゆる存在すべてが私の制作の源です。

ただし、それは決してそれらの形や色をそのまま写し描くという意味ではありません。それらと自分自身との関係性から立ち現れる、言葉では説明しきれない「私という存在」を通した表現です。

そうした表現は、決して私だけの異質なものではなく、深層において多くの人と繋がり、共感し合えるものであるようにと願っています。

制作から生まれる作品は、ひとつの決まった答えに集約されるものではありません。その時々の自分自身や時代、そして自然の変化とともに、無限の答えとして響き合い「谺(こだま)」するように生まれていきます。

それはかつての修行僧や画僧の静かな祈りや行(ぎょう)のようでもあり、深い思索の時間のようでもあります。流行に合わせた描写や安易なスタイルの固定を行うことなく、大作から小さなドローイングに至るまで、すべての作品を「一度きりの境地の記録」として一つひとつ大切に刻み込んでいます。

画面に刻まれる、純粋な生命の律動

無数の線を刻み込むスクラッチやハッチングという独自の手法は、生命の鼓動を可視化し、「内なる自然」を呼び起こすための大切なプロセスです。

特に2017年にアトリエを軽井沢へ移してからは、冬の氷柱を通して見る青空、早朝の窓に輝く霜の結晶、凍てつく霧のきらめきなど、人間社会の概念を超えた「圧倒的な自然の摂理」と向き合う日々が始まりました。

ミクロの視点が描く奇跡的な幾何学構造と、ただそこに在る自然の純粋なリズム。その過酷でありながら美しい自然の中で過ごす時間が、作品から余計な作為を削ぎ落とし、純粋な命の律動を画面に定着させて行きました。

パブリックから、あなたの日常空間(プライベート)へ

これまで国内外の美術館やギャラリーでの展示、海外市場での展開など、多くのパブリックな空間へ向けた発表を行ってまいりました。

しかし今、私はもう一度原点に立ち返り、個人の日常空間に静かな調和をもたらす「プライベートな室内アート」をお届けすることに、深い喜びを感じています。

アトリエの澄んだ空気感そのままに、作品を大切にしてくださる方の元へ直接お届けしたい。

このサロン「NAGANO STUDIO KAWADA」は、単に作品をご購入いただくだけの場所ではありません。作品を通して人生の深い時間を共有し、共に「Fine Art のある暮らし」を紡いでいくためのプライベートな空間です。

あなたの日常に寄り添い、静かに語りかけるような一作との出会いがありましたら幸いです。

Selected Exhibitions & Collections(主要略歴)

  • 横須賀美術館(神奈川)企画展 出品

  • GAIA Contemporary(サンタフェ, アメリカ)個展・取扱

  • フィレンツェ滞在制作(イタリア)メゾチント作品展開

  • パブリックコレクション:各種公共施設・企業等での所蔵多数


※詳細な展覧会歴・過去作品アーカイブは 公式ポートフォリオ(kawadayuko.jp) をご覧ください。